キャットフードの成分表示(灰分・粗~)

飼い猫は自分で餌を探し、食べたいものを食べるのではなく、飼い主から与えられた食事しか食べることができません。
そのためキャットフードはどんな時でも安定して、一定の栄養が取れるように設計して作られています。

一定の栄養が取れることを証明するために、キャットフードには粗たんぱく質・粗脂肪・粗繊維・粗灰分・水分の5つの成分表示が義務付けられています。
また成分表示では%表示が採用されており、最低・最高保証成分をあらわすために「以上」「以下」という表記がされています。

これらの表示の見方については、下記を参考にしてみてください。

粗たんぱく質

食品を分析する際に、純粋なたんぱく質だけを測定するのは難しいことから、キャットフードに含まれているたんぱく質の含有量表示には「粗たんぱく質」という表示が採用されています。
この「粗」という表示は脂肪や繊維、灰分も同様で、純粋な脂肪や繊維、灰分だけを測定することが難しいことから「粗」が頭につく形で表示されています。

粗たんぱく質の「粗」と呼ばれるものの中には、たんぱく質から分離したアミノ酸やアミン類の化合物などが含まれています。

粗脂肪

粗脂肪も粗たんぱく質と同様に、純粋な脂肪に加えて、脂肪の中に溶けているビタミンやその他の成分を全て含めた形での成分表示になっています。

たんぱく質と脂質は猫にとって重要な栄養成分となるため、たんぱく質と脂質のどちらも最低保証成分をあらわすために「○○%以上」と表記されています。

粗繊維

粗繊維は純粋な食物繊維の他に、酸やアルカリに溶けないケラチンのようなものも含めたものをあらわす成分です。
繊維は少なすぎることよりも多すぎることで問題を起こしやすいことから、最低保証成分ではなく最高でどの程度の成分が含まれるかをあらわす必要があります。
そのため粗繊維表示では「○○%以下」と表記されています。

粗灰分

灰分は純粋なミネラルの量だけではなく、酸化物も含まれています。
灰分は、キャットフードを燃やして灰にした量を測定しているためです。
また灰分も少なすぎることより多すぎることの問題が多いことから、最高保証成分値として「○○%以下」という表記が採用されています。

水分

水分は純粋な水分だけを測定できることから、「粗」という表示はされていません。
水分は多すぎると微生物が繁殖しやすくなり、保存性が損なわれやすくなることから、最低保証成分ではなく最高保証成分値として「○○%以下」と表示されています。

ドライフードか、その他のフードかを見極めるためにも水分の最高保証成分値は参考になる情報です。
水分10%程度ならドライフードに当たりますが、それ以上含まれている場合はソフトドライやセミモイストフードに当たる可能性があり、保管方法や賞味期限も変わってくることがあるため注意しましょう。

その他の成分表示

その他の成分表示については特に決まりはありませんが、猫の年齢や体重、活動量や体質によって1日に必要なカロリーが異なることから、一日に与えるフードの量や回数の表示については義務づけられています。
ちなみに100g当たりのカロリー量についての表示は、任意になっています。
その他の成分表示 キャットフードを選ぶ時は、義務づけられている表示がきちんと記載されているかはもちろん、任意表示であっても飼い主にとって重要な情報をきちんと記載しているかどうか、確かめておくのがお勧めです。
フードが猫の体質に合うか、判断材料のひとつにもなるため、パッケージ表示はぜひ丁寧に読み込むようにしてみてください。
RELATEDおすすめの関連記事
トップに戻る