安全無添加のキャットフードを選ぶために

無添加のキャットフードすべてが安全かというと、必ずしもそう言い切れない場合があります。
無添加を謳うフードの中から、より安心で安全なフードを選びたい場合は以下の点に注意して選んでみましょう。

原産国だけでなく原材料の産地がわかるものを選ぼう

キャットフードには原産国が表示されていますが、これはキャットフードの最終加工工程を行った国のことです。
そのため原産国表示だけでは、異なる国から原材料を輸入しキャットフードに使用したとしても、各原材料の産地までは把握することができません。

なるべく安全で無添加のキャットフードを選ぶ場合は、原材料ひとつひとつの産地が明確なものを購入するのがお勧めです。
また詳しい明記がなされていない場合でも、消費者から原材料の産地について問い合わせがあった場合にはきちんと対応してくれるような、原材料の管理・記録をしっかりと行っている業者からフードを購入するのも大切です。

トレーサビリティが確保されているものを選ぼう

キャットフードが店舗に並ぶまでに、どこの原材料を調達し、どのような流通経路をたどり、どこでキャットフードが加工され、また流通し販売されたかまで遡って調べることができるシステムをトレーサビリティ・システムと言います。
キャットフードが本当に安全に作られ、適切に管理・輸送されてきたかを調べるためにトレーサビリティ・システムは必要不可欠です。

キャットフードは加工食品となるため、原材料の生産からフードの加工・流通、またフードの販売まで様々な業者が携わっています。
そのためフード販売に携わった業者は各段階で帳簿への記録を行っています。
フードに問題が発生した場合にもトレーサビリティ・システムが確保されていれば、フードの流通履歴をたどり問題が解明しやすくなります。

無添加フードは添加物を使用しない分、より適切な品質管理が必要になるフードです。
トレーサビリティ・システムを確保しているフードメーカーを選ぶのと同時に、消費者にも流通履歴をきちんと公開している業者を選ぶとより安心です。

遺伝子組み換え作物使用について明記があるものを

キャットフードに使用されている穀類や、フードのタンパク質源となる家畜動物が食べる飼料の中には遺伝子組み換え作物が混入している場合があります。
遺伝子組み換え作物はその名前の通り、作物に病害虫や除草剤への耐性を持たせたり、貯蔵性を増したりするために遺伝子が組み換えられている作物です。

日本で販売・流通が認められている遺伝子組み換え作物は大豆、じゃがいも、なたね、とうもろこし、わた、てんさい、アルファルファ、パパイヤの8作物です。
また食品添加物(α―アミラーゼ、キモシン、プルラナーゼ、リパーゼ、リボフラビン、グルコアミラーゼなど)の中にも遺伝子組み換え微生物を使用して作られているものがあります。

食品として利用される遺伝子組み換え作物は食品の安全性試験に合格したものですが、作物としての歴史は浅く、その安全性に危機感を持っている消費者が多いのも事実です。
また日本で遺伝子組み換え作物の表示義務がない加工食品も多く、キャットフードも現実的には遺伝子作物使用の有無が確認できないフードが大半です。

そのため猫に安心して与えられるフードを探しているなら、遺伝子組み換え作物の使用有無を業者自らが公開しているような、信頼できるメーカーのフードを選ぶのがお勧めです。

フードメーカーの保存技術と水分含有量・保管方法は要チェック

キャットフードの賞味期限や劣化スピードの早さは、キャットフードの水分含有量によって異なります。
無添加フードは添加物を使用していないため、添加物を使用したものに比べたら賞味期限や劣化スピードが早いものが中心です。
そのためフードの保存性を高めるためにどのような技術を使用しているのかという部分は確認しておきたい内容です。

またフードの水分含有量次第でもフード開封後の劣化スピードが異なります。
通常のドライフードは水分含有量10%以下となっているため、常温保存が可能です。
それよりも水分含有量が多い場合は常温ではなく冷蔵保存が適している場合があります。

無添加フードではエクストルーダーによる高温加工ではなく、低温乾燥や低温加熱による加工を採用しているところも多いため、水分含有量が10%以下かどうかや、メーカーが推奨しているフード開封後の適切な保管方法とはどのようなものかは、購入前にしっかりと確認しておきましょう。

無添加のキャットフードは、「添加物を使用していないから全て安心で安全だ」とは言い切れません。
むしろ添加物を使用していないフードだからこそ、原材料選びからフードの加工、搬送、保管、販売にいたるまでの配慮が行き届いていないと、食の安心・安全が保ちにくい商品とも言えます。
ぜひ上記点について参考にしながら、よりよいフードを選んでみてください。
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