キャットフードの原材料(肉副産物・ミート副産物・肉粉・ミートミール)

肉はと畜場で解体され枝肉と皮、内臓に仕分けられ、枝肉は食肉・食鳥加工場へ、皮は原皮業者へ、内臓等は副生物業者へと運ばれてそれぞれ加工されます。
その加工途中で出てきた、まだ食べられる部位を無駄なく使い切るために加工されているのが肉副産物、ミート副産物、肉粉またはミートミールと呼ばれるものです。

ただこれら副産物には人間の食用には使われていない部位も含まれています。
そのため普段人間が食べている同じ家畜から出てきた部位ではあっても、キャットフードに副産物が使われているとなると飼い主さんの不安材料となることがあります。

また、この副産物は国内で製造されているものと、海外で製造されているものとで品質基準や衛生環境、監視体制とが異なるという問題があります。
キャットフードでは副産物の原産地までは表示されていないものが多く、そのことも飼い主さんの不安材料のひとつとなっているようです。

ただし畜肉副産物だからすべて危険かというと、そうではありません。
日本で製造されている畜肉副産物は、以下のような過程を経てキャットフード用の原材料として加工されています。

鶏肉副産物

鶏肉副産物には骨や内臓、羽毛や脂、血液などがあり、骨や内臓、羽毛からはチキンミールやフェザーミールなど、キャットフードの原材料表示でよく見かける材料が作られています。

チキンミールは、鶏の骨や内臓など人間の食用として使われない部位を熱処理し、油脂を製造する段階で出てくる獣脂かすを粉砕処理したものです。
またフェザーミールは、鶏の羽を熱処理して粉砕したものです。
またチキンミール製造段階で出てくる鶏脂は工業用に利用されるものもあれば、キャットフード用としても利用されることがあります。

キャットフードは鶏や魚がメインの食材として選ばれることが多いです。
そのため、キャットフードの原材料として使われる副産物の中では、鶏肉副産物類が一番ポピュラーです。
飼い主さんもパッケージの表示で目にしたことがあるのではないでしょうか。

牛肉副産物

牛肉副産物は、平成13年に日本でBSE(狂牛病)が発生した経緯があるため、食用にはできません。
牛肉副産物をペットフードに利用する場合は、食用の油脂を製造する際に出る獣脂かすと呼ばれるものしか利用できないようになっています。

獣脂かすは牛肉や皮、内臓等を加工する際に、人間用の商品にはならない不要な部分として出てくる生の脂身から作られています。
この脂身は油脂製造業者へと運ばれ、食用・工業用の油脂に加工されます。
その油脂への加工段階で出てくる脂身に含まれていたエキスから、さらに油を搾り、脂肪の含有量を一定基準にまで減らし、乾燥させ粉砕したものが牛肉の肉粉です。
日本で製造されている牛肉副産物で、ペットフード用の原材料として流通しているものは、すべて脂肪部分から作られているのが牛肉副産物の特徴です。

キャットフードに牛肉副産物が使われているかどうかは、表示に牛肉粉や牛肉エキスなどの表示があるかどうかで確認することができます。

豚副産物

キャットフードにも豚副産物が使われていることがあります。
豚副産物は鶏と同様に骨や内臓、脂、皮、血液などがあり、人間の食用には向いていない部位から油脂をとるため加工する際に出てくる獣脂かすなどは、ポークミールとしてフードの原材料に使われることがあります。
またその油脂もフードの原材料に使われることがあります。

肉からとれる副産物を使用したフードは多くあり、人間の食用としては使われていない部位が加工されていることから、畜産副産物は飼い主さんの不安材料となることも多い原材料です。
ただし内臓や骨などには、その部位だからこそ得られる豊富な栄養素などもあり、一概に避けるべきとは言えない難しさがあります。
ぜひ副産物について今一度確認し見直してみて、毎日与える食材にふさわしいかどうかを考えてみてください。
RELATEDおすすめの関連記事
トップに戻る