キャットフードの味(ビーフ・ラム)

ウェットフードでは牛肉そのものを食材にしたものが多くありますが、ドライフードでは牛肉そのものだけでなく、獣脂かすを利用したビーフミールやビーフパウダーなども使用されていることがあります。
猫の食の嗜好に合わせたり、食いつきを良くしたりするためにうま味の強いビーフエキスやビーフパウダー、牛脂をフードに加えているものもあります。

一方、ラムはキャットフードではあまり使われることが多くない食材ですが、他の動物性食材にアレルギーのある猫やオーガニック・ナチュラルフードの食材としてラムが選ばれることもあります。

ビーフやラム味のキャットフードには、以下のような特徴があります。

脂肪分の融点が高く、脂質が吸収しづらいと言われている

ビーフやラムの脂肪分は高温でないと溶けにくいため、体内に入れても体温では溶けづらいため排出されやすい脂肪だと言われています。
牛脂の融点は40~50℃、ラム脂肪の融点は44~55℃と言われています。
ちなみに鶏脂は30~32℃、豚脂は33~46℃と言われています。
ラーメンやスープの出汁に鶏や豚がよく使われているのは、この脂肪の溶けやすさにも理由があるのかもしれません。

一般的に脂肪の融点は高ければ高いほど舌の上や体内で脂肪が溶けにくくなるため、体内で吸収しづらくなると言われています。
ただし吸収されにくいこの脂肪の性質は、一方で吸収されると排出されにくく体内にとどまりやすいとも言われています。

ビーフやラム味のフードは、魚やチキン味に比べると多くはなく、また牛肉やラム肉は食材としては高価な部類に入るため、メインの食材に使用しているフードはあまり多くありません。
そのためあまり心配する必要はないと思いますが、上記のように特徴がある脂質のため、脂質の種類や量に気を配ってあげるとより愛猫に合ったフードを探しやすくなります。

不飽和脂肪酸が多いため酸化しにくい

動物性の食材に多く含まれている不飽和脂肪酸は肥満の原因になりやすいと言われますが、一方で酸化しにくいというメリットがあります。
脂質の酸化のしやすさは多価不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸の順に少なくなり、ビーフやラムは飽和脂肪酸の多い動物性の食材のため、脂質は高いのですが過酸化脂質になりにくいという特徴があります。

猫は脂質の代謝が得意な動物ですが、肥満や体調不良などでフードからとる脂質の量をコントロールする必要が出てくることもあります。
キャットフードに使われている動物性の食材と、その脂肪の性質、またとらなければならない適切な脂質の種類や比率などを調べておくと、猫の体調に合わせたフードを選びやすくなるためぜひ一度チェックしておいてみてください。

L-カルニチンが多い

牛肉やラム肉には脂肪を燃焼しやすくしてくれると言われるL-カルニチンが豊富に含まれています。
肥満の猫にはL-カルニチンの摂取が勧められることがありますが、サプリメントの場合、とりたい栄養素だけでなく猫にとって有害な成分も含まれることがあり、度々問題になるケースがあります。

牛肉やラム肉なら自然な形でL-カルニチンをとりいれることができるため、肥満が気になる場合は獣医師に食事について相談の上、問題ないようであれば牛肉やラム肉を使用したフードを選ぶのも良いかもしれません。

ビーフやラム味のフードは、キャットフードの中ではあまり多くはありませんが、取り入れるべきメリットや魅力も多いフードと言えます。
相性があるためサンプルで確認は必要ですが、興味がある場合はぜひ一度猫との相性を確かめてみてはいかがでしょうか?
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