キャットフードに含まれている栄養素(マグネシウム)

エネルギー代謝や体の機能の維持、骨や歯の重要な成分となるのがマグネシウムです。
ただし体や健康のために欠かせない一方で、マグネシウムは尿結石と深い関わりのあるミネラルとされています。

最近では尿結石予防のため、マグネシウム含有量を記載するフードが増えています。
ぜひ今一度マグネシウムについて見直してみましょう。

マグネシウムってどんなミネラル?

マグネシウムはエネルギーの代謝やタンパク質の合成、骨や歯をつくる働きのあるミネラルで、体にとってなくてはならない必須ミネラルです。
一方でマグネシウムはストルバイト尿石を予防する意味で、摂取量に注意が必要なミネラルです。

動物のストルバイト尿石は尿路感染が原因で起こりやすいと言われていますが、これは犬の場合で、猫の場合は無菌尿にも関わらずストルバイト結石になる子が多いと言われています。
これはオス猫の尿道の形や、猫が水分を普段からあまりとらず尿が濃縮されやすいこと、またフードと体質が合わないことなどがその背景にあるようです。

尿路結石には尿が酸性に偏ることでできるシュウ酸カルシウム結石と、尿がアルカリに偏ることでできるストルバイト結石とがあります。
マグネシウムはこのどちらにも関わりがあると言われており、多すぎるとストルバイト結石に、逆に少なすぎるとシュウ酸カルシウム結石を作りやすいという専門家の意見もあります。

マグネシウム以外の食餌や栄養成分が結石の原因だという専門家の意見もあり、一概にマグネシウムだけが結石の要因となっているとは言えないようですが、猫が体質的に尿結石を作りやすい以上、体調に変化が見られたら食事内容やミネラルバランスなどの見直しが必要になってくると言えます。

尿結石予防のための適切な食事やマグネシウム量は、猫の年齢や体質によっても変わってくるため、まずは動物病院へかかり体調を調べてもらった上で獣医師に相談してみましょう。

マグネシウムの多い食材について

マグネシウムの含有量が記載されているフードもありますが、記載されていないフードもあります。
キャットフードにマグネシウムが多い食材が使われていないかどうか、確かめるには以下を参考にしてみてください。

(マグネシウムの多い食材)
魚介類……しらす、煮干し、桜えび、干しえび、甲殻類、さば節、かつお節など
豆類……大豆、大豆たんぱく、きなこ、えんどう豆、いんげん豆、ひよこ豆など
穀物……アマランサス、コーンミール、オートミール、玄米、ライ麦、小麦胚芽、小麦全粒粉、小麦たんぱくなど
乳製品……脱脂粉乳など
野菜・海藻……ほうれん草、海藻など

ちなみに健康な成猫に与えるマグネシウムの最小量は、乾燥重量の0.04%以上とされており、一般的なキャットフードは0.06~0.1%以内の含有量に収まるよう設計されているものが多くあります。

尿結石の原因が必ずしもマグネシウムと結びついている訳ではないため、まずは猫の体質や体調を獣医師などの専門家に見てもらいチェックしてもらうこと、また猫に与える適切なマグネシウム量について相談することが重要ですが、今使っているフードでマグネシウムの過不足が起こらないか心配になったらぜひ上記も参考にしてみてください。

マグネシウムは骨や歯を作るのに必要なだけでなく、心疾患や脳卒中などを防いでくれたり、エネルギー代謝やタンパク質を合成したりするのに欠かせないミネラルです。
ただし他のミネラルのように過不足が起きたり、ミネラルバランスに偏りが出たりすると体に影響を及ぼしやすい一面もあります。

今一度、今使っているフードのマグネシウム量を見て、猫の体質や体調に合っているかどうか見直してみましょう。
またフードで与える適切なミネラル量や適切なバランスについては、ぜひ一度体調チェックも兼ねて、獣医師などの専門家にアドバイスを受けるようにしてみてください。
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