キャットフードは高価なものの方が安心か

高価なキャットフードを与えさえすれば、猫に元気で長生きしてもらえるかというとそうとは限りません。

高価なキャットフードは厳選した食材を使用したり、猫にとって有害だと思われる食材や添加物を徹底的に排除していたりします。
そのため、食の安心・安全という意味では非常に優れたフードです。

ただし残念ながら、猫の体質・体調に高価なフードが常に合うとは限りません。
また高価なフードを与える時には、下記のような点にも注意が必要です。

人間でもあまり食べたことのない食材が使用されている

高価なキャットフードでは人間の食卓にはあまり並ぶことのない野生の鳥獣肉や、健康食品として評判が高いもののまだ一般に浸透していないスーパーフード、猫の健康維持に効果があるかどうかはっきりとはわかっていないハーブ類などが使用されていることがあります。

野生の鳥獣肉は環境汚染による影響が大きく、また感染リスクが比較的高い動物であることは従来からよく知られています。
そのため野生の鳥獣肉がフードに使用されている場合、どの地域に生息する動物を使用しているのか、肉の解体や加工処理が衛生基準を満たした施設で行われているか、捕獲・解体・加工などの際に国の定めた法律や基準が守られているかなど、より細やかな視点でフードをチェックする必要が出てきます。

野生の鳥獣肉の取り扱いや管理方法は国によっても異なり、また検査・確認する機関も国により異なります。
鳥獣肉を使用したフードを使う場合は、それぞれの国で鳥獣肉のリスク管理をどのように行っているのかも確認しておきましょう。

またスーパーフードやハーブ類など、猫に毎日与えている家庭が少ない食材は、それらを与えた場合に起こるデメリットについての情報が少ないケースがあります。
厳選された食材には、貴重な食材からしか得られないメリットも豊富にありますが、だからこそのデメリットもあります。

高タンパク質な食事が、猫に合わないケースがある

健康で運動量が多い猫と、一日のほとんどを寝て過ごす猫では当然必要なエネルギー量も栄養量も異なります。
また若い猫と年老いた猫、疾患を抱えている猫とでも同様に変わります。

特に年老いた猫や各種疾患を抱える猫の場合、動物病院から食餌指導を受けてタンパク質制限を行わなくてはならない場合があります。

高価なフードは一般的に肉や魚を多く使っているため、高タンパク質なフードが多く、それが現在の猫の体調に合わないケースもあります。

ただし高価なフードの中には、猫の体質や各種疾患に合わせて特別な栄養設計を行う療法食もあります。
体質や健康上に問題があり、かつ高価で安心できるフードを与えたい場合は獣医師指導のもとで療法食を与えましょう。

栄養過剰になることがある

肉や魚を中心に作られた高価なフードはタンパク質が豊富であると同時に、肉や魚を骨から丸ごと使用するフードではカルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラル濃度が高くなるケースがあります。
ミネラルは体を作るための大切な栄養素ですが、多すぎると却って各種疾患を引き起こしやすくなったり、また他のミネラルの吸収を阻害してしまったりすることがあります。
そのためタンパク質源が豊富に使われている高価なフードほど、猫にとって最適な栄養バランスを考慮して作られているかどうか、しっかり確認する必要があります。

高価なフードはお金を多く払った分、健康に対しても大きな効果が得られるとつい期待してしまいがちですが「食の安心・安全を追及したフード」と「愛猫が元気でいるために最適なフード」は当然ながら異なる場合があります。
キャットフードを選ぶ時は値段に関係なく猫の体調・体質に合うものの中から、より安心できるものを優先して選ぶようにしましょう。
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