キャットフードに含まれている栄養素(ミネラル)

ミネラルは体の組織作りや体の働きを維持するために必要不可欠な栄養素で、体内で作り出すことができない栄養素です。
またミネラルはどのような形でとるかで吸収率が変わったり、多すぎても少なすぎても体に良くない影響を与えたりします。

総合栄養食と表記のあるキャットフードなら、猫にとって必要なミネラルがとれ、さらに猫の状態に合わせて適切なバランスで摂取できるようにフード設計がなされています。
またプレミアムフードと呼ばれるようなフードでは、ミネラルの吸収率にこだわり、ミネラルの形態にもこだわられて作られていることがあります。

フード内に含まれるミネラルは、ほぼ食材だけで足りるものもありますが、食材だけでとれないミネラルはミネラル剤をフードに添加しています。
キャットフードに含まれているミネラルはどのようなものか、またミネラルバランスが最適かどうか、ぜひ原材料表示を見て考えてみましょう。

猫に必要なミネラルについて

猫に必須とされているミネラルには、下記のようなものがあります。

カルシウム……骨や歯を作り、筋肉の収縮や神経伝達にも関わるミネラル。リンが多い食事を与えるとカルシウム欠乏症に陥ることがあるため、リンとのバランスを考えて与えることが重要です。

リン……カルシウムと共に骨や歯を作る他、体内の働きに関わっているミネラル。リンをとりすぎるとカルシウム欠乏に陥りやすいことから、カルシウムとリンのバランスは1:1~1:2の間が望ましいとされている。

カリウム……神経伝達やエネルギー代謝に関わるミネラルで、ナトリウムと共に必要不可欠なミネラル。体調不良時や病気にかかった時、また加齢などによって過剰・欠乏したりするため、体調に変化が見られたら与えるカリウム量の調整が必要になる場合がある。

ナトリウム……体内の水分バランス調整や神経伝達などに関わるミネラルで、カリウムと共に必要不可欠なミネラル。カリウムと同様、体調不良時や病気にかかった時、また加齢などによって、与えるナトリウム量の調整が必要になる場合がある。

塩素……胃酸の成分であり、体内の浸透圧やpH調整に関わるミネラル。毒性の高い物質として知られていますが、ナトリウムと強く結びつき塩化ナトリウム(食塩)として広く自然界に存在しているミネラルです。

マグネシウム……エネルギー代謝や体の機能の維持、カルシウムやリンと共に骨や歯の重要な成分となるミネラル。ただしカルシウム・リンが多すぎると不足しやすいため、カルシウム・リンとのバランスを考えて与えることが必要です。またマグネシウムは与えすぎると尿結石になりやすいと言われており、含有量を記載しているフードが増えています。

鉄……血液成分の原料となるミネラル。不足しすぎると貧血になったり、疲労しやすくなったりする。動物性の食材由来の鉄分と、植物性の食材由来の鉄分とでは吸収性が異なり、動物性の食材からとった方が吸収しやすいと言われています。

銅……鉄を原料にして血液成分を作り出す時に、欠かせないミネラル。食材からほぼ補うことができ過不足が起こりにくいミネラルですが、体調不良時や亜鉛やその他ミネラルのとりすぎで不足する場合もあります。また肝臓に異常がある場合、銅が体内に蓄積しやすいことがあります。

マンガン……体内の代謝に深く関わるミネラルで、健康な骨・皮膚を作ってくれるミネラル。動物性食材よりも植物性の食材(大豆や玄米など)に多く含まれています。

亜鉛……健康な皮膚や被毛づくりのために欠かせないミネラル。他のミネラルによって吸収を阻害されたり、また様々な成分と結合することによって吸収できない形へと変化したりするため、ミネラルバランスや栄養バランスを考えながら取り入れる必要があります。

ヨウ素……甲状腺ホルモンの原料となるミネラル。海藻や魚介類などの食材に多く含まれています。多すぎても少なすぎても体に影響を与えやすいため、適度に摂取することが大事なミネラルです。

セレン……ビタミンEやビタミンCと共に、抗酸化の働きをしてくれるミネラル。魚介類に多く含まれ、魚介類の多い食事を与え続けていると過剰になる恐れがあります。過不足なく摂取したいミネラルです。

ミネラルは猫にとって重要な栄養素です。
ぜひ各ミネラルの働きを見直してみて、キャットフード・メーカーが適正なミネラルバランスをどう実現しているのかを想像してみましょう。
フード・メーカーの工夫や努力がより感じられるようになるかもしれません。
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