キャットフードの添加物(アスコルビン酸、クエン酸、ローズマリー抽出物)

化学合成された酸化防止剤に不安を感じる飼い主さんも増えたためか、近年のキャットフードで酸化防止剤として使われることが多いのがアスコルビン酸、クエン酸、ローズマリー抽出物などの酸化防止剤です。
それぞれの特徴は、以下の通りです。

アスコルビン酸

ビタミンCとしての働きもある有機化合物がアスコルビン酸です。
猫はビタミンCを肝臓で合成できるため、フードに加えられている場合はフードの酸化防止剤として使用されていると考えてよいでしょう。

アスコルビン酸を添加するとフードの品質が落ちにくく長持ちしやすくなり、フードの風味や美味しさをそのまま保ちやすくしてくれます。
また口に入ってもビタミンCとして摂取できる安心感があります。

猫はビタミンCを合成できますが、酸化ストレスが多い時期(暑い時期やストレスがかかった時、体調不良時や療養中など)では体内で作るビタミンCだけでは供給が間に合わない時もあります。
そのような時にもアスコルビン酸があらかじめ添加してあるフードなら安心できます。

クエン酸

柑橘系の果物に多く含まれる有機化合物で、酸化しやすい金属と結びつきやすく(キレート化と言います)、酸化防止剤の効果をより高めるために添加されることのある物質です。

フード内に銅や鉄などの金属イオンが含まれている場合、アスコルビン酸をフードに添加すると逆に酸化反応が進みやすくなり、フードが傷みやすくなることがあります。
その金属イオンとアスコルビン酸との反応を阻害してくれるのがクエン酸です。
クエン酸は金属イオンとの反応性が良いため、アスコルビン酸と金属イオンが結びつくことを防いでくれます。

そのものが酸化を防止するというよりは、他の酸化防止剤の効果をサポートするために添加されていることの多い物質です。

ローズマリー抽出物

近年、キャットフードの酸化防止剤として使われることが増えているのがローズマリー抽出物です。
その名の通り、ローズマリーから抽出した成分を利用したもので、含まれている成分にはロズマリン酸、カルノソール、カルノシン酸およびロスマノールなどがあります。

この成分中、最も抗酸化作用が高いと言われる成分がカルノシン酸やロスマノールです。
その抗酸化作用は化学合成されたBHAよりも強いと言われています。
近年キャットフードの酸化防止剤にローズマリー抽出物が使われることが増えてきたのも、この高い抗酸化作用のためかもしれません。

またローズマリー抽出物は、単体の成分が抗酸化作用として働くのではなく、様々な成分が複合的に働いて抗酸化作用を持つことから、合成成分ではなく天然のハーブから抽出した成分が酸化防止剤として使用されています。

自然由来の成分なら問題が何もなく完全に安全だとは限りませんが、ローズマリー抽出物は従来の食品添加物によるネガティブなイメージをフードから払拭してくれ、飼い主さんが安心して猫に与えることができ、かつ高い抗酸化作用でフードの品質を保ってくれる酸化防止剤です。

食品添加物と聞くと危険なイメージを持つ方も多いと思いますが、最近ではより猫にとって影響が少なく、栄養素としての働きもある成分や自然由来の成分などを利用して、フードの添加物に使用している例が増えてきています。
ぜひキャットフードの酸化防止剤にどのようなものが使われ、またそれぞれのメリットとデメリットはどのようなものなのかを調べてみて、より猫に合ったフード探しの参考にしてみてください。
RELATEDおすすめの関連記事
トップに戻る