キャットフードになぜ穀物が含まれているのか

肉食動物である猫のフードに、なぜ穀物が使われているのでしょうか。
現状、その理由としては下記のような理由がよく挙げられています。

・キャットフードの見た目・形を良くするため(穀物にはでんぷんが多く繊維を含むためフードがまとまりやすい)
・キャットフードの元祖となるドッグフードで穀物が使用されてきた
・植物性タンパク質を取り入れることで、フードの原価を抑えられる
・カロリーを低く抑えられる

以下、キャットフードに穀物が含まれている理由の詳細です。

キャットフードの見た目・形を良くするため(穀物にはでんぷんが多く繊維を含むためフードがまとまりやすい)

穀物にはでんぷんや繊維質が豊富に含まれています。
でんぷんは糊のような働きがありフードをまとめやすくしてくれ、繊維質はやわらかいフードをしっかりとかためてくれます。

そのため一般的なフードの場合はでんぷん・繊維質が多く、身近な食材で、しかも入手が容易な穀物がよく利用されています。
穀物は猫が食べやすい形のフードを作るために、とても便利な食材なのです。

また穀物を使用しないグレインフリーと呼ばれるドライフードでも、じゃがいもやえんどう豆、タピオカ、さつまいも、ビートパルプなどのでんぷんや食物繊維が豊富な食材が使われています。
これはでんぷん質や繊維質がフードの形をきれいにまとめてくれるからです。

逆にこのでんぷん質や繊維質の配合を少なくしているドライフードでは粒の形が不均衡な場合があります。

キャットフードの元祖となるドッグフードで穀物が使用されてきた

ペットフードとして最初に販売されたのは、現在のドッグフードの原型ともなった犬用ビスケットです。
その後ペットフードはドッグフードの開発が主体に進められ、キャットフードはドッグフードを転用したものとして後に開発されました。
そのためドッグフードで使用されていた穀物が、そのままキャットフードにも使われるようになりました。

ただし当初、猫が犬とは異なる栄養素が必要な動物だとは認識されていなかったようです。
またいまだに猫にとって必要な栄養素、不要な食物は現代でも未解明な部分が多くあります。

穀物は上記のように古くからキャットフードに使われてきた原材料ですが、猫にとって本当に穀物が必要なのか、それとも全く不要なのか、はっきりした事実は解明されていません。

植物性タンパク質を取り入れることで、フードの原価を抑えられる

さらに穀物がキャットフードに使われ続ける理由には、穀物に含まれる植物性タンパク質にも理由があります。
穀物だけでは猫に必要な必須アミノ酸すべてを補うことはできませんが、猫に必要なタンパク質のいくらかは補うことができます。
その場合、足りない部分はサプリとして添加されたり、他の原材料の使用で補っています。

また穀物は肉や魚よりも安価で入手でき、タンパク質源となる食材が多く必要とされるキャットフードの原価を低く抑えることができます。

カロリーを低く抑えられる

穀物というと人間では脂質と一緒にとることで肥満になりやすい食材というイメージがありますが、猫の場合は肥満と穀物の因果関係がまだはっきりとはしておらず、わかっていないことが多くあります。
そのため穀物は、キャットフードの総カロリーを低く抑えるために使われることがあります。

実際、穀物を使用しない高タンパク質なフードよりも、穀物を使用したフードの方がグラム当たりのカロリーが少ない傾向にあります。

穀物の消化が苦手なのにも関わらず、キャットフードに穀物が使われる理由には上記のような理由が考えられています。

ただし猫が穀物の消化が苦手である以上、どんどん使って問題ない食材かというと疑問が残る点も多くあります。
ぜひ穀物を使用したフードを与える場合は猫とフードとの相性を確かめて、愛猫の消化に負担がかからないものを選んであげてみてください。
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